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−​古川勇輔さんのお言葉−

「学びの場所」

  古川 勇輔(2008年卒) 東京外国語大学、比較・国際教育学ゼミ、通称「岡田ゼミ」をその黎明期から知る一人として書こうと思います。 岡田ゼミの始まりは、2007年のこと。発足した当初、4年生は私1人。しばらくして1人増えて、2人に。 とはいえ、その人数では議論の深まりに欠けるため、初年度のゼミは先生と3年生4人も合わせ た計7人で開催。場所も教室ではなく、先生の研究室でした。ゼミの名称も「比較・国際教育学」ゼミと銘打っていましたが、取り扱うテーマは、外国の教育 事情やその比較、異文化理解教育だけではありませんでした。

 「教育」という視座から世界や社会における事象の理解、問題の解決を探る「教育学」は、その 学際的な性格がゆえに、社会学や政治学、経済学、国際関係論、心理学など関連する他の分野に 触れることもしばしばでした。 よって、ゼミで取り上げるテーマに関して、単に文献を読んで議論するだけでなく、付随する論点 や関係学問、専門用語をゼミ生自身が調べて発表することも多く、ゼミ生の興味関心と知識は自 然と広がりました。また、岡田先生のポリシーである「学生の自主性を重んじる」、「教育とは『引き出す』こと」 といった教育方針により、先生はあくまでサポート役に徹し、ゼミは最初から最後までゼミ生が 主役となり動かしていました。

 岡田ゼミは、ゼミ生自身が、互いに「教え育て」、自ら「教わり育つ」、そんな「学びの場所」 でした。そして、発足から10年が経った今も、このような「学びの場所」としての岡田ゼミの姿は、全く 変わっていないと聞いています。外大を卒業して、早や10年。その間、私は、企業への就職、大学院での勉強や浪人など曲折を経 て、現在は監査法人に勤めています。会計監査業務に従事する一方、途上国の開発支援を行う部署に所属し、アジア、アフリカ、南米 などの国々に関わる業務も担当しています。それらの業務を通じて、外大と岡田ゼミで培った「学び」が自分の中に息づいていることを日々 感じています。 

仕事では、毎日のように新しい人と知り合い、未知の領域や困難な問題と対峙することも多くあ ります。そのような時、過去、外大で修得した語学の技能、履修した諸学問の知識、それ以上に、自分の 心構えや在り様、つまり、これまで知らなかった物事に挑戦し、自分の壁を乗り越え、成長し続 けていくための基本的な思考法や視点、姿勢、人への優しさや思いやりなど、大学や岡田ゼミで の時間と人間関係において養われ育まれたと思える「学び」が、今も自分の中に生きていること を感じるのです。岡田先生との師弟関係は、卒業後も止むどころか益々深まり、ゼミで出会った仲間たちとは、た だ在りし日を懐かしむだけでなく、今もそれぞれのこれからの夢を自由に語り合える間柄です。また、世界中の様々な業界で活躍している仲間の近況を耳にするのは一層喜ばしく、岡田ゼミで の「学び」が多くの卒業生に生きていることを感じさせます。私にとって、このような先生や仲間との学びと繋がりは、大きな誇りであり、大切な宝物です。きっと私だけでなく、多くの卒業生が互いに同じような気持ちでいるかと思います。

そして、それらはこれからもそれぞれの未来に息づいていくことでしょう。その意味において、岡田ゼミ生にとっての「学び」は、卒業後もそれぞれの人生の中でずっと続い ているのかも知れません。大学と岡田先生、ゼミで出会った仲間には感謝してもしきれません。本当にありがとうございま す。

これからも岡田ゼミが外大生にとって、未来に息づく、大切な何かに出会える「学びの場所」で あり続けると信じて...

May the Force be with all the students of OKADA Seminar and TUFS!!

                                 

2008年卒業 初代ゼミ長 古川勇輔

−​佐々木亮さんのお言葉−

 2009年3月卒業の佐々木亮と申します。学部3年次には、西立野園子教授(現在、武蔵野大学客員教授)が担当された国際法・国際人権法のゼミに在籍しておりましたが、同教授の定年退職に伴って、こちらのゼミに移った経緯から、1年だけの在籍でしたが、大変濃密な時間を過ごさせて頂きました。

 卒業後は、国際人権法の研究者を目指して、中央大学大学院法学研究科に進学し、英国ヨーク大学ロースクールへの留学を経て、現在は、都内の大学で講師をしながら、博士論文の仕上げをしております。大学院進学後も単位互換制度等を利用しながら、学部・大学院のゼミに参加し、ゼミの皆さんと親しくさせて頂いたことに感謝しております。

 比較・国際教育学ゼミの特徴は、自由闊達な雰囲気と多彩な構成員にあろうかと思います。担当の岡田先生をはじめ、多様な個性を持った人たちが集まって、年度ごとにゼミの「カラー」を創り出しています。比較・国際教育学ゼミに関わった多くの方の人間関係が末永く続き、ここで培ったリベラルな心と明晰な論理的思考力を以て、民主的で自由な社会の担い手として、幅広く活躍するよう祈念しております。

 

2009年卒業 2期生 佐々木亮

−畠ゆりえさんのお言葉−

2013年9月に岡田ゼミを卒業した畠です。岡田ゼミは、ゼミ生が中心となって授業や合宿の企画を行い、自ら研究したいこと、やりたいことを自発的に追求できる環境でした。ゼミの縦の繋がりも大切にされていて、卒業された先輩方からお話を伺ったり、留学について相談に乗っていただけたことはとてもありがたかったです。岡田ゼミの魅力はやはり人との繋がりだと思います。岡田先生をはじめ、先輩方や個性的なゼミメンバーに恵まれ、充実した二年間を送ることが出来ました。授業においては、特に現存の学歴社会への批判的見方や教育の社会再生産論を通し、教育と社会のあり方や考えさせられました。また、イギリスのマンチェスター大学への留学や留学生へのチューターなど国際交流や海外経験を豊富にさせていただきました。卒業論文においては日本とイギリスの学歴社会の比較と考察に取り組みました。卒業後はIT企業に就職し、経理業務を担当しました。その後、縁があってアイルランドへ行くことになり、数か月はIT企業で働きましたが、欧州で生活の基盤を固めるためには、自分の専門となる学位・修士を持つことが必要だと考え、トリニティ大学大学院へ進学し、会計学を学びました。現在はダブリンの監査法人で会計士見習いとして働いています。

​2013年卒業 4期生 畠ゆりえ

−小河原由梨さんのお言葉−

 こんにちは!2015年から16年にかけてゼミ長をしていました小河原です。ゼミでは、日本の教育制度の特徴・歴史的背景や教育学の基礎を、テキスト講読や議論を通じて学びました。ディスカッションやプレゼンテーションによるアウトプットを重視するゼミで、テーマに対して活発に意見が飛び交うこともしばしばありました。4年生になると、各自卒業論文のテーマを決めてリサーチを進め、ゼミで発表してコメントをもらい、内容を練り上

げていきました。卒業論文の内容は各自の興味関心によって様々でしたが、専攻語の国の教育と絡めて書く人が多かったです。また、留学や海外生活経験者が多かったこともあり、それぞれの教育経験を聞く機会が多々あって興味深かったです!これも岡田ゼミの特徴のひとつでしょう。

 現在、私は社会人としてスタートをきったばかりですが、自分の頭で考えてなんでもチャレンジすることや、自分の意見をまとめて形にして人に伝えることが大切だと感じています。自主性を重んじる岡田ゼミでは、様々な方面に活発なゼミ生にも囲まれて、教育以外の面ではこうしたチャレンジ精神を何より学んだと思うので、活かしていけたらと思います。これからゼミ選択を控えている皆さん、このゼミは自分たちの手で作っていくところが大きいので、どういう学びを得たいか模索しながら、楽しんでゼミ生活を送ってください!!

 

2017年卒業 8期生ゼミ長 小河原由梨

-坂本悦子(大槻悦子)さんのお言葉-

 2012~2013年(正確には2011年、2年次の秋から)に岡田ゼミに在籍していた大槻悦子です。(今は坂本姓ですが、旧姓の頃に関わっていた人の前ではこれからも大槻です。)

現在は、某私立中高の英語教員として働いています。比較・国際教育学という分野の割には、現役の学校教員は少ないようで、勝手に「岡田ゼミ教職支部」を名乗り、公立私立・教科を問わず会員を大募集しています。教員志望の後輩に対しては、お役に立てることがあればいつでも連絡を待っています。

 岡田ゼミの最大の魅力は、月並みな言い方ですが「いろんな人がいる」ということです。同じ分野を志して入ってくる、時には「選抜」というものも経て入ってくるゼミという場は、良くも悪くも同じような個性・同じような興味関心に偏ることが避けられない気がします。そんな中でこの岡田ゼミは、人数も多く、そして興味や関心、趣味も特技も性格も本当にバラバラです。だけど根底に「教育が好き」「異文化交流が好き」「岡田先生が好き」「未知なことへの挑戦が好き」という熱い思いを共有しているからこそ、バラバラながらも仲良く刺激し合いながら、みんなで成長していくことができます。私は大学時代交友関係がそこまで広かったわけではなく、フラ科や教職の仲間達の他では、ゼミの友達が一番連絡を取り合ったり、卒業後も会っていたり、facebookなどで近況を知って刺激を受けている間柄だと思っています。

 

また、私自身に関して言えば、岡田ゼミの中で静かに、けれど熱く抱かれている究極の目標、「世界平和」を、個人的に中学の頃くらいから自分の中に秘めていました。勝手に壮大な願いを抱きながら、それでも自分にできることなんてごくわずかで、飛行機が苦手な私には海外に飛び出すことも容易ではなく、それでも願わずにはいられないこの目標のために、自分ができることを模索した結果が学校の英語の先生であり、次世代の優しく、たくましい子らを育てていくことでした。岡田ゼミに入ったのも、色んな考え方や色んな価値観を知り、先生になる前に自分自身の視野を広げたいと思ったからです。岡田先生と岡田ゼミに出逢えたことが、大学時代で一番幸せな縁でした。2015年に同じく私立教員である人と結婚もしましたが、岡田先生をはじめ、ゼミの先輩や同期にも来て頂き、特に岡田先生にはスピーチと、岡田ゼミに受け継がれる歌を弾き語りでプレゼントして頂きました。幸せでした。これまで受けてきた教えや、頂いてきた愛情は、全て次世代に投資していきます。いずれ、自分の教え子が外大に入学したり、岡田ゼミに入ってくれたりしたら本当に嬉しいですね。岡田先生、長生きして下さい。       

               2013年卒業 坂本悦子

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